当事業所の例のひとつとして「責任」があります。

ひきこもり歴8年の男性ですが、家族の中でも一番信頼している姉のいうことはだけは聞くということで、姉の勧めにより当事業所のものづくりに参加することになりました。

当初は姉に迷惑はかけたくないという思いだけで通所していましたが、印刷業務の単純作業からスタートし、まずは手を動かすことに慣れていきます。その次にパソコンを使い、これもまた簡単な印刷の断裁の記をつける作業、そして次は分割作業と、日数をかけて少しづつ複数の作業をこなしていき、印刷の成果物ができるまでの全ての工程を体感してもらいました。この一連の作業を繰り返すうちに、決められた工程のながで効率的な発見ができるようになります。大事なのは単純作業を繰り返すことではなく、細分化された単純作業が最終的に点と点が線でつながるような工程を体感してもらうことです。

一連の流れを体感することで、小さな成功体験と小さな自信をもつことができ、次にチャレンジするという動機につながります。たまたま当事業所にはいろんな機械やアプリなどが運用できる環境なので、興味をもつための要素は複数存在します。そんな彼も、1年間の在籍でしたが、働くこと、働いて報酬をえること、生活することをしっかり認識して、今では工場の重要な役割として他社で立派に働いています。

「欲求」がきっかけになる場合

引きこもりの方が、何に対しても興味がないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、興味というものは誰にでも沸くものです。無いのはその環境の方です。

そして一番重要なのは、自分には出来ないという固定概念を取り除ける環境です。
就労継続支援は一般的に簡単な作業を繰り返すことでリズムを整える手法をとりますが、社会のために役に立つ就労ではないのが実情です。事業所によっては意味のない作業を永遠と繰り返します。当事業所の場合は、広告事業部が社会との接点を持ち重要な役割をになっているため、出来上がったものは必ず実社会で貢献する仕組みとなっております。

例えば、アトラクションを提供する団体の広告物の制作も、成果物が出来上がるまでに数多くの工程をふみますが、それをさらに細分化することで、経験したことがない人でも協力できる体制をつくります。これ以上ない細分化をすると結局のところ卓上でも、パソコン上でも、機械を使うにしても全て手作業です。

これらがどのように欲求につながるかというと、
世の中に出回った仕事に対し、
「あれは私が携わったしごと」
「これは僕が●●の作業をしたしごと」という自信と誇りがもてます。

その上で、細分化された複数ある作業から一番興味のもてるものからスタートすればよいのです。
Aさんは、イラストに興味があったので、無料アプリを使うのではなく、プロフェッショナルが使うアプリを1年かけて当事業所で覚えた。Bさんは印刷の作業工程そのものに興味が湧いたので半年かけて覚えながら他の作業にも貢献した。Cさんはやったことがない動画編集に興味があり、撮影の仕方も含めて2年かけて覚えた。Dさんは意味はわからないけどWEB制作に興味があった。絵は描けないけれども、WEBの一部の構造を理解した上で重要な更新業務を行っているなど、全体を認識してもらいながら、興味のあることに本格的に携わることのできる環境を当事業所は提供しています。

意思だけで自分や人を変えることが不可能でも、
環境を変えることで、不可能を可能にするこはできます。

興味がある方は、体験をお勧めします。
お気軽にご相談ください。

就労継続支援B型事業所
アシタハレルヤ　松浦